eizo.help

基礎知識から新情報まで。映像制作の情報サイトです。Premiere ProやAfter Effectsといった編集ソフトウェアの情報、技術・演出のテクニック、日々の制作に役立つトレンド等を日々紹介しています。

Blenderが素晴らしい3DCGソフトになっていた話

f:id:tasoba:20190702110058j:plain

映像制作をする上で3D表現ができると、表現の幅が大きく拡がりますよね!最近はAfter Effectsなどでも簡単な3DCGができるようになっていますが、やっぱり本格的な3DCGを学びたいと思っている人も多いのでは?

Windows, Mac, Linuxで使える、無料の3DCGソフト「Blender」が、ver 2.8で劇的に変わるのでご紹介します!すごく使いやすいですよ。

※ver 2.8の正式版は2019年7月にリリース予定です。執筆時点ではベータ版です。

 

 

Blenderとは?

Blenderは「Blender Foundation」が開発する統合3DCGソフトウェアです。その歴史は古く、20年以上前から開発が続けられているオープンソース・ソフトウェアです。

3DCGには、モデリングや質感設定、配置やレンダリング、コンポジットといった工程がありますが、Blenderはそのすべてを1つのソフト内で作業できます。また、物理シュミレーションといった、一般的な有料の3DCGソフトウェアだと、最上位版でなければ搭載していないような機能も全て無料で利用できます。

 

無料だと仕事で使うのは心配?

tasobaも同じように考えていましたが、開発資金を得る試みがされていることを知り、十分信頼できるソフトウェアだと感じています。月額で小額から支援でき、またBlender Cloudというサービスでは、チュートリアルプラグインクラウドでの設定のバックアップ機能など、「支援し続けたい」と思わせるような仕掛けがなされていました。

開発者と使用者の議論も活発で、素晴らしいソフトウェアづくりとしているように感じます。

https://cloud.blender.org/welcome

 

操作が独特で難しかったのは昔の話!

Blenderの事情に詳しい方ならご存じかも知れませんが、かなり独特な操作性でした。具体的に言うと右クリックで選択とか、マニュピレーターの操作が普通と違う等です。

しかしそれは過去の話で、2019年7月リリース予定の ver 2.8では、標準的な操作系になっています。また、Autodesk MAYAといった業界標準ソフトウェアの操作に寄せた「industry compatible」というkeymap(操作設定)も標準搭載され、3DCG経験者でも、ほぼ違和感なく使い始められると思います。

tasobaも少しだけMAYAの実務経験があるのですが、基本的には問題なく使えています。

 

開発による「industry compatible」の説明

developer.blender.org

日本語版のチートシート(通常版とindustry compatible版)

rt3dcg.blogspot.com

 

Blender 2.8の特徴

インターフェイスの改善

f:id:tasoba:20190702103756j:plain

前述の「industry compatible」の搭載に加え、操作のしやすさや見た目の分かり易さが大きく改善しました。細かい部分のアイコンや操作感なども今っぽく、かなり扱いやすいです。

Photoshop等もそうですが、ソフトウェアは進化とともに見た目がどんどん煩雑になりがちです。Blender 2.8はこれまでの機能をきちんと残しつつ、頻繁に使う機能を前面に出す、素晴らしい変更をしたと思います。

 

レンダリングエンジンやビューポートの改善

f:id:tasoba:20190702103337j:plain
www.blender.org

こちらは改善というよりも進化と呼ぶべきかも知れません。Blender 2.8では、非常に高速で美しいビューポート(3Dの作業空間)を搭載しており、使い心地が素晴らしいです。作業中は常に見つめることになる画面なので、見た目は大切ですね。

レンダリングエンジンは、Cyclesという描画が忠実(リアル)なタイプと、EEVEEという高速な2種類を搭載しています。特にEEVEEは、次のような理由で3DCGに不慣れな人であっても扱いやすいです。

  • すぐに結果が見られるから、色々試しやすい
  • パッと見でリアルなCGがすぐに作れる
  • 動作が軽いので、トライ&エラーしやすい

EEEVEEはAfter Effectsプラグインである「Element 3D」のような3DCGといえば分かり易いかもしれません。感覚的にリアルと感じることを重視し、複雑な処理を省くことで軽快に動作します。

www.videocopilot.net

 

コミュニティが活発

 

www.youtube.com

英語のリソースが多い点は仕方ないものの、日々沢山のチュートリアルがアップされています。また公式が「Blender Today」といったライブ配信も行っています。フィードバックが活発に行われ、コミュニティ主導でソフトウェア開発が行われている印象です。なんだか未来感がありますね。

 

まとめ

念のため繰り返しますが、正式リリースは2019年7月予定です。普通にダウンロードすると2.79bという変更前のバージョンになってしまうのでご注意ください!

現在はver 2.8のベータ版が先行リリースされていますので試したい方は以下からどうぞ。Windows版、Mac版、Linux版があります。

builder.blender.org

もちろんベータ版なので、細かいバグが出現することもありますが、毎日更新されているので、そんなときは時間を空けてダウンロードし直してみてくださいね。

tasobaもBlenderは勉強中なので、また機会があれば役に立った情報を共有しますね。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

3Dコネクション Cadマウス ワイヤレス CMW 1個 【送料無料】
価格:13824円(税込、送料無料) (2019/7/2時点)

楽天で購入